複数恋愛主義(ポリアモリー)について
「ポリアモリー(polyamory)」とは、ギリシア語の「複数」(poly)とラテン語の「愛」(amor)に由来する、アメリカで造られた造語です。
つきあう相手、親密な関係を同時期に、一人だけに限定せず、全ての関係者が全ての状況を知る選択が可能であり、全員がすべての関係に合意している、という考え方に基づく行為、ライフスタイル、または恋愛関係のことを指します。
まず、浮気や不倫と大きく違う点が
「全ての関係者が状況を知ることができ、全員がすべての関係に合意している」
ということ。
一般的に知られている浮気はその言葉の通り、恋人というパートナーがいながらも心が浮ついてしまい、パートナーに隠しながら違う異性と性愛関係を持つというもの。
不倫は配偶者のいる男性もしくは女性が、配偶者以外と関係を持ってしまうというもので、こちらも配偶者にはその関係を隠しているというのが通念です。
浮気や不倫はともにパートナーに嘘をつき隠し事をしながら、寂しさや性欲を満たすために別の人と関係を築いてしまうことから、多かれ少なかれ罪悪感を背負うことになり、何でも言い合えるパートナーとしての関係性は機能していないですね。
でも、「ポリアモリー」の場合はそれとは少し違います。
すべての人がすべての関係性を知り、合意の元で築かれた関係性になるため、隠し事をする必要もない。
「大事な人にこそ、包み隠さず全てを話したい」というのが「ポリアモリー」の考え方だという。
もう一つ浮気や不倫と異なる点が、どの人のことも優劣をつけず、誠実に愛している、ということ。
一般的に浮気や不倫は、正規のパートナーこそ一番大切であり尊重すべき存在、と考えられており、浮気相手や不倫相手の地位は低く、関係性に大きな差異が生じている。そして、正規のパートナーだけでは満たされない欲望をこっそりアウトソースするという考え方です。
しかし「ポリアモリー」の人々の間では、どの人の間にも優劣がない。どの人に対しても本気で愛を注ぐというスタイルがスタンダードとなっています。
近年、レズ、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーを略したLGBTという言葉も、テレビや雑誌等各種メディアで見受けられるようになってきました。
「ポリアモリー」もそんな多様化する世の中の性の在り方を改めて感じさせてくれる事象ではないでしょうか。